
「離乳食って、いつから始めればいいの?」
「本やネットには目安が書いてあるけれど、うちの子は全然食べてくれない…」
「この進め方で合っているのか不安…」
0〜1歳頃の赤ちゃんを育てていると、離乳食について悩むことは多いですよね。
最初は10倍がゆをひとさじから始めると聞いても、実際には口から出してしまったり、泣いて嫌がったり、昨日は食べたのに今日は食べなかったりすることもあります。
離乳食は、赤ちゃんが母乳や育児用ミルク以外の食べ物に少しずつ慣れていく大切な時期です。
ただし、離乳食は「決められた量を毎日きっちり食べさせるもの」と考えすぎなくても大丈夫です。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」でも、離乳は乳汁から幼児食へ移行していく過程であり、子どもの食欲や成長・発達には個人差があるため、子どもの状況に合わせて進めることが大切とされています。
つまり、月齢はあくまで目安です。
同じ6か月でも、食べ物に興味津々の子もいれば、まだ口に入れることに慣れない子もいます。
大切なのは、赤ちゃんの様子を見ながら、焦らず少しずつ進めていくことです。
この記事では、0〜1歳の離乳食の進め方について、開始時期の目安、月齢別のポイント、食べないときの対策、相談した方がいいケースまでわかりやすく解説します。
3人の子育てをする中で感じたことも交えながら、「ちゃんと進めなきゃ」と不安になりすぎず、親子で無理なく離乳食に向き合うためのヒントをまとめていきます。
この記事でわかること
- 離乳食を始める時期と赤ちゃんのサイン
- 5〜6か月・7〜8か月・9〜11か月・12〜18か月の進め方
- 離乳食を食べない・進まないときの対策
- 相談した方がいいケースの目安
- 離乳食後に増えやすい食べムラ・偏食とのつながり

離乳食はいつから始める?開始時期とサイン
離乳食を始める時期は、一般的に生後5〜6か月頃が目安とされています。
ただし、「5か月になったら必ず始めなければいけない」というわけではありません。
赤ちゃんの発達には個人差があるため、月齢だけでなく、赤ちゃんの様子を見ながら始めることが大切です。
早く始めればよいというものでもなく、反対に不安で先延ばしにしすぎる必要もありません。
赤ちゃんが食べ物に興味を持ち始め、体の準備が少しずつ整ってきたタイミングで、無理なく始めていきましょう。
離乳食を始める目安
離乳食を始めるときは、次のような様子が見られるかを確認します。
- 首がしっかりすわっている
- 支えると座れる
- 大人が食べている様子に興味を示す
- 食べ物を見て口を動かす
- スプーンを口に入れても強く押し出しにくくなっている
- 授乳やミルクのリズムがある程度整ってきている
このようなサインがそろってきたら、離乳食を始める準備ができてきたと考えやすいです。
ただし、すべてが完璧にそろわないと始めてはいけない、というわけではありません。
赤ちゃんの機嫌や体調がよい日を選び、まずは少量から試してみるとよいでしょう。
最初は10倍がゆをひとさじから
離乳食の最初は、なめらかにすりつぶした10倍がゆを小さじ1程度から始めることが多いです。
最初の目的は、たくさん食べることではありません。
母乳やミルク以外の味、舌ざわり、スプーンの感覚に少しずつ慣れることが目的です。
そのため、最初から食べなくても大丈夫です。
口から出してしまったり、変な顔をしたり、スプーンを嫌がったりすることもあります。
赤ちゃんにとっては、初めての味と食感なので、驚くのは自然なことです。
「食べなかったから失敗」と考えず、「今日はスプーンに触れられた」「口に少し入った」くらいで見ていきましょう。
体調のよい午前中に始めると安心
初めての食材を試すときは、赤ちゃんの体調がよく、機嫌のよい日を選ぶのがおすすめです。
また、できれば午前中など、日中の早い時間に始めると安心です。
万が一、湿疹、嘔吐、下痢、咳、顔色の変化など気になる反応が出た場合に、医療機関へ相談しやすいからです。
特に初めての食材は、少量から始めて、赤ちゃんの様子を見ながら進めましょう。
体調が悪い日、予防接種の直後、機嫌が悪い日などは、無理に新しい食材を試さなくても大丈夫です。
離乳食は毎日予定通り進めることよりも、赤ちゃんの体調に合わせることが大切です。
始めるのが少し遅れても焦らなくて大丈夫
生後5〜6か月頃が目安と聞くと、「もう始めないと遅いのでは?」と不安になることがあります。
でも、赤ちゃんの発達には個人差があります。
まだ首すわりが不安定だったり、スプーンを強く押し出したり、食べ物に興味を示さなかったりする場合は、少し様子を見てもよいことがあります。
ただし、長く始められず不安がある場合や、成長・発達で気になることがある場合は、乳幼児健診や小児科、保健センターなどで相談すると安心です。
「遅れているかも」とひとりで悩むより、赤ちゃんの発達状況を見てもらいながら進める方が、親の不安も軽くなります。
月齢はあくまで目安として考える
離乳食の情報を見ると、「5か月から」「7か月から」「9か月から」と月齢ごとに細かく分かれています。
もちろん、月齢の目安は進め方を考えるうえで役立ちます。
ただし、赤ちゃんによって食べる量、口の動かし方、飲み込み方、食べ物への興味には違いがあります。
月齢通りに進まないからといって、すぐに焦る必要はありません。
大切なのは、赤ちゃんが無理なく食べられる形状や量で進めることです。
「同じ月齢の子はもっと食べているのに」と比べすぎず、その子のペースを見ながら少しずつ進めていきましょう。
月齢別|離乳食の進め方の目安
離乳食は、赤ちゃんの成長に合わせて少しずつ形状や回数、食材の種類を増やしていきます。
ただし、月齢はあくまで目安です。
同じ7か月でも、よく食べる子もいれば、まだ少量しか食べない子もいます。
大切なのは、「月齢通りに進めること」ではなく、赤ちゃんの口の動きや飲み込み方、機嫌、体調を見ながら進めることです。
ここでは、一般的な月齢別の進め方を紹介します。

離乳初期:5〜6か月頃
離乳初期は、赤ちゃんが母乳やミルク以外の味や食感に少しずつ慣れていく時期です。
最初は、なめらかにすりつぶした10倍がゆを小さじ1程度から始めます。
この時期は、栄養をたくさん取ることよりも、「スプーンに慣れる」「飲み込む練習をする」「食べ物の味を知る」ことが中心です。
はじめは、口から出してしまうこともあります。
それは、赤ちゃんが食べ物を嫌がっているというより、まだ口の動かし方に慣れていないだけの場合もあります。
慣れてきたら、おかゆの量を少しずつ増やし、野菜や豆腐、白身魚などを少量ずつ試していきます。
新しい食材は、赤ちゃんの様子を見ながら1種類ずつ、少量から始めると安心です。
この時期のポイントは、次の通りです。
- 1日1回から始める
- なめらかにすりつぶした状態にする
- 最初は10倍がゆを小さじ1程度から始める
- 新しい食材は少量ずつ試す
- 食べない日があっても焦らない
離乳中期:7〜8か月頃
離乳中期になると、1日2回食へ進める時期になります。
食材の種類も少しずつ増え、赤ちゃんは舌と上あごで食べ物をつぶす練習をしていきます。
形状は、なめらかなペーストから、少し粒が残るやわらかい状態へ移っていきます。
ただし、急に粒を増やすと嫌がる子もいます。
「急に食べなくなった」と感じる場合は、形状がその子に合っていないこともあります。
一度なめらかさを戻したり、粒を小さくしたりして調整してみましょう。
この時期は、野菜、豆腐、白身魚、卵黄、肉類など、食べられる食材を少しずつ広げていく時期でもあります。
ただし、食べる量には個人差があります。
よく食べる日もあれば、ほとんど食べない日もあります。
食べる量だけで判断せず、赤ちゃんの機嫌や便の様子、授乳・ミルクの量も含めて見ていきましょう。
この時期のポイントは、次の通りです。
- 1日2回食を目安にする
- 舌でつぶせるくらいのやわらかさにする
- 食材の種類を少しずつ増やす
- 急に食べなくなったら形状を見直す
- 赤ちゃんのペースに合わせて進める
離乳後期:9〜11か月頃
離乳後期になると、1日3回食へ進める時期になります。
赤ちゃんは、歯ぐきで食べ物をつぶす練習をしていきます。
食材の形状は、指でつぶせるくらいのやわらかさが目安です。
この頃になると、手づかみ食べに興味を示す子も増えてきます。
手づかみ食べは、食べ物の感触を知ったり、自分で口に運ぶ練習をしたりする大切な経験です。
床や服が汚れるので大変ですが、できる範囲で見守ってあげるとよいでしょう。
また、この時期は食べムラが出てくることもあります。
昨日はよく食べたのに、今日はほとんど食べない。
好きだったものを急に嫌がる。
そんなことも珍しくありません。
1食だけを見て落ち込むより、数日単位で見ていくことが大切です。
この時期のポイントは、次の通りです。
- 1日3回食を目安にする
- 歯ぐきでつぶせるくらいのやわらかさにする
- 手づかみ食べを少しずつ取り入れる
- 食べムラがあっても焦りすぎない
- 家族の食事時間に近づけていく
離乳完了期:12〜18か月頃
離乳完了期は、少しずつ幼児食に近づいていく時期です。
食事は1日3回を基本にしながら、必要に応じて補食を取り入れます。
補食とは、お菓子という意味ではなく、1回の食事だけでは足りない栄養やエネルギーを補うための軽い食事のことです。
たとえば、小さなおにぎり、バナナ、ヨーグルト、さつまいも、チーズなどが使いやすいです。
この時期は、自分で食べたい気持ちも強くなってきます。
スプーンやフォークを使いたがったり、手づかみで食べたり、食べ物をこぼしたりすることも多くなります。
親としては片付けが大変ですが、自分で食べる練習の時期でもあります。
また、1歳を過ぎると、自我が少しずつ出てきて、食べ物の好みもはっきりしてくることがあります。
「昨日まで食べていたものを急に食べない」「好きなものばかり食べる」といった食べムラが出ることもあります。
この時期のポイントは、次の通りです。
- 1日3回の食事を基本にする
- 必要に応じて補食を取り入れる
- 自分で食べたい気持ちを大切にする
- 大人より薄味を意識する
- 食べムラが出ても焦りすぎない
月齢通りに進まないときは戻っても大丈夫
離乳食は、必ず一方通行で進めなければいけないものではありません。
中期に進めたけれど急に食べなくなった。
粒を増やしたら嫌がるようになった。
3回食にしたけれど、食べる量がかなり少ない。
そんなときは、少し前の形状や回数に戻しても大丈夫です。
離乳食は、赤ちゃんの成長に合わせて調整していくものです。
月齢の目安に合わせることよりも、赤ちゃんが無理なく食べられているかを大切にしましょう。
「戻る=失敗」ではありません。
その子に合うペースを探している途中と考えて、焦らず進めていきましょう。
離乳食を進めるときに大切なポイント
離乳食は、月齢ごとの目安を参考にしながら進めていきます。
ただし、実際には赤ちゃんによって食べ方もペースもかなり違います。
よく食べる子もいれば、少量しか食べない子もいます。
スムーズに進む時期もあれば、急に食べなくなる時期もあります。
そのため、離乳食では「目安通りに進めること」だけにこだわりすぎず、赤ちゃんの様子に合わせて調整していくことが大切です。
赤ちゃんのペースに合わせる
離乳食を進めるうえで一番大切なのは、赤ちゃんのペースを見ながら進めることです。
月齢の目安は便利ですが、すべての赤ちゃんが同じタイミングで同じ量を食べるわけではありません。
同じ6か月でも、スプーンを見ると口を開ける子もいれば、口に入るだけで嫌がる子もいます。
同じ9か月でも、手づかみ食べに興味がある子もいれば、まだ口の中でつぶすのが苦手な子もいます。
赤ちゃんが嫌がっているのに無理に進めると、食事の時間そのものが苦手になってしまうことがあります。
食べる量が少ない日があっても、体調がよく、機嫌よく過ごせているなら、焦りすぎなくて大丈夫です。
「今日はこれだけしか食べなかった」ではなく、「今日はスプーンに慣れた」「今日はにおいを感じられた」「今日は少し口に入れられた」と、小さな経験を見ていきましょう。
新しい食材は少量から試す
離乳食では、食材の種類を少しずつ増やしていきます。
新しい食材を試すときは、いきなりたくさん食べさせるのではなく、少量から始めるのが基本です。
最初は小さじ1程度から始め、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ増やしていきましょう。
また、初めての食材は、できれば赤ちゃんの体調がよく、医療機関に相談しやすい日中の時間帯に試すと安心です。
食べたあとに湿疹、嘔吐、下痢、咳、顔色の変化など気になる症状が出た場合は、自己判断せず小児科などに相談してください。
特に、卵、乳製品、小麦、魚、大豆などは、進め方に不安を感じる方も多いと思います。
不安がある場合は、乳幼児健診や小児科、保健センターなどで相談しながら進めると安心です。
味つけは薄味を意識する
離乳食では、大人と同じ味つけではなく、薄味を意識することが大切です。
赤ちゃんはまだ内臓の働きも発達途中であり、濃い味に慣れすぎると、その後の食習慣にも影響しやすくなります。
特に、塩分の多い食品や味の濃い加工食品は、赤ちゃんには負担になることがあります。
最初のうちは、だしや素材の味を活かしながら、できるだけ薄味で進めましょう。
ただし、「味つけをしてはいけない」と考えすぎる必要はありません。
離乳食が進んできたら、赤ちゃんの月齢や食べ方に合わせて、少量の調味料を使うこともあります。
大切なのは、大人の味つけをそのまま取り分けるのではなく、赤ちゃん用に薄めたり、調味前に取り分けたりすることです。
食べる楽しさを大切にする
離乳食では、栄養をとることだけでなく、食べる楽しさを感じることも大切です。
赤ちゃんにとって、離乳食は初めての味や食感との出会いです。
最初から上手に食べられなくても自然なことです。
口から出す、手で触る、顔をしかめる、スプーンを持ちたがる。
こうした姿も、食べ物に慣れていく過程のひとつです。
もちろん、毎回こぼされると片付けは大変です。
でも、赤ちゃんが食べ物に興味を持つことは、離乳食を進めるうえで大切な経験です。
「汚さないで食べること」よりも、まずは「食べ物に興味を持つこと」「食事の時間が嫌なものにならないこと」を大切にしてみましょう。
水分補給も意識する
離乳食が進むと、食事の内容だけでなく水分補給も気になるところです。
基本的には、母乳や育児用ミルクを続けながら、離乳食の進み具合に合わせて、湯冷ましや麦茶などを少しずつ取り入れることがあります。
ただし、水分を無理にたくさん飲ませる必要はありません。
赤ちゃんの月齢、授乳量、離乳食の進み具合、汗をかく量、便の状態などを見ながら調整します。
特に、発熱、嘔吐、下痢、尿が少ない、元気がないなどがある場合は、脱水に注意が必要です。
水分がとれない、尿の回数が少ない、ぐったりしているなど心配な様子があるときは、早めに小児科へ相談してください。
親が頑張りすぎないことも大切
離乳食は、準備も片付けも手間がかかります。
食材をやわらかく煮て、すりつぶして、小分けにして、冷凍して、食べさせて、片付ける。
それを毎日続けるのは、思っている以上に大変です。
しかも、頑張って作ったものを食べてもらえない日もあります。
そんなときに、「ちゃんと作らなきゃ」「全部手作りしなきゃ」と思いすぎると、親の方が疲れてしまいます。
ベビーフードや冷凍ストック、取り分け、時短アイテムを使うことは、決して手抜きではありません。
親が少しラクになることで、赤ちゃんとの食事時間に余裕が生まれることもあります。
離乳食は長く続くものなので、完璧を目指すより、無理なく続けられる形を見つけていきましょう。
離乳食を食べない・進まないときの対策

離乳食を始めると、多くの方が一度は「食べない」「思うように進まない」という悩みにぶつかります。
せっかく作ったおかゆを口から出してしまう。
スプーンを近づけるだけで泣く。
昨日は食べたのに、今日はまったく食べない。
そんなことが続くと、「進め方が悪いのかな」「このままで大丈夫かな」と不安になりますよね。
でも、離乳食は赤ちゃんにとって初めての経験の連続です。
母乳やミルクとは違う味、におい、舌ざわり、スプーンの感覚に少しずつ慣れていく時期なので、最初からスムーズに食べられなくても珍しくありません。
ここでは、離乳食を食べない・進まないときに家庭で見直しやすいポイントを紹介します。
形状や固さを見直す
離乳食を食べないときは、まず形状や固さが赤ちゃんに合っているかを見直してみましょう。
月齢の目安に合わせて粒を増やしたり、少し固めにしたりしたタイミングで、急に食べなくなることがあります。
これは、その食材が嫌いになったというより、まだ口の中で処理しにくいだけの場合があります。
たとえば、
- 粒が大きすぎる
- 水分が少なくて飲み込みにくい
- 繊維が残っていて口に残る
- かたさがその子に合っていない
- 急に形状が変わって驚いている
このような場合は、少し前の形状に戻しても大丈夫です。
なめらかに戻す、水分を足す、細かく刻む、やわらかく煮るなど、その子が食べやすい形に調整してみましょう。
「前の段階に戻る=失敗」ではありません。
赤ちゃんが食べやすい形を探している途中と考えて、焦らず調整していくことが大切です。
食べる時間帯を変えてみる
離乳食を食べない理由が、食材や味ではなく、時間帯にあることもあります。
眠いとき、お腹が空きすぎているとき、逆に授乳やミルクでお腹がいっぱいのときは、離乳食が進みにくいことがあります。
赤ちゃんにとって、食べることは意外とエネルギーを使います。
機嫌が悪いときや眠いときに無理に食べさせようとしても、うまくいかないことがあります。
もし毎回同じ時間に嫌がるなら、少し時間帯を変えてみるのもひとつです。
たとえば、朝寝の前ではなく起きたあとにする、授乳直後ではなく少し時間を空ける、機嫌のよい午前中に試すなど、赤ちゃんが落ち着いているタイミングを探してみましょう。
離乳食は、毎日きっちり同じ時間に進めなければいけないものではありません。
赤ちゃんが食べやすい時間帯を見つけることも、立派な工夫です。
無理に食べさせない
食べない日が続くと、親としては「少しだけでも食べてほしい」と思いますよね。
でも、嫌がっている赤ちゃんに無理に口へ入れようとすると、食事の時間そのものを嫌がるようになることがあります。
離乳食で大切なのは、食べる量だけではありません。
スプーンを見る、口に近づける、少しなめる、手で触る、においを感じる。
こうした経験も、赤ちゃんにとっては食べ物に慣れる大切なステップです。
泣いて嫌がるときは、一度切り上げても大丈夫です。
「今日はここまでにしよう」と終わらせることで、親も赤ちゃんも気持ちを切り替えやすくなります。
離乳食は長く続くものなので、1回ごとの量にこだわりすぎず、食事の時間を嫌なものにしないことを大切にしましょう。
味や温度を少し変えてみる
赤ちゃんによっては、味や温度の違いで食べ方が変わることがあります。
同じおかゆでも、少し温かい方が食べやすい子もいれば、熱さに敏感で嫌がる子もいます。
野菜の青っぽいにおいが苦手な子もいれば、だしの風味があると食べやすい子もいます。
離乳食が進んできたら、赤ちゃんの月齢や段階に合わせて、だしや素材の甘みを活かす工夫をしてみるのもよいでしょう。
ただし、濃い味つけにする必要はありません。
基本は薄味を意識しながら、赤ちゃんが食べやすい温度や風味を探していきましょう。
スプーンや姿勢を見直す
離乳食を嫌がる原因が、食べ物そのものではなく、スプーンや姿勢にあることもあります。
スプーンが大きすぎる、口に当たる感覚が苦手、座る姿勢が不安定などがあると、赤ちゃんは食べにくく感じることがあります。
赤ちゃんの口に合った小さめのスプーンを使う、椅子や抱っこで姿勢を安定させる、体が前のめりになりすぎないようにするなど、食べやすい環境を整えてみましょう。
また、スプーンを口の奥まで入れすぎないことも大切です。
赤ちゃんの下唇にスプーンを軽くのせるようにして、赤ちゃんが自分で取り込むのを待つと、食べやすくなることがあります。
ベビーフードを使っても大丈夫
離乳食が進まないときほど、「手作りで頑張らないと」と思ってしまう方もいるかもしれません。
でも、ベビーフードを使うことは悪いことではありません。
市販のベビーフードは、月齢に合わせた形状や固さの参考にもなります。
「このくらいのとろみなら食べやすいんだ」「この大きさなら飲み込めるんだ」と、手作りのヒントになることもあります。
また、忙しい日や疲れている日にベビーフードを使うことで、親の負担が減ります。
親が少しラクになると、食事の時間にも余裕が生まれやすくなります。
全部手作りでなければいけない、ということはありません。
手作り、冷凍ストック、ベビーフードを組み合わせながら、無理なく続けていきましょう。
食べない日があっても数日単位で見る
赤ちゃんの食べ方にはムラがあります。
昨日はよく食べたのに、今日はほとんど食べない。
朝は食べなかったけれど、昼は少し食べた。
新しい食材は嫌がったけれど、いつものおかゆは食べた。
このように、日によってかなり違うことがあります。
そのため、1回の食事だけを見て「全然進んでいない」と落ち込まなくても大丈夫です。
数日から1週間くらいの流れで見ると、少しずつ食べられるものが増えていることもあります。
もちろん、長期間ほとんど食べない、水分がとれない、体重が増えない、元気がないなどの心配がある場合は、早めに相談しましょう。
でも、元気に過ごせていて、授乳やミルクもとれている場合は、焦りすぎず少しずつ進めていくことが大切です。
相談した方がいいケースは?
離乳食は、赤ちゃんのペースに合わせて少しずつ進めていくものです。
そのため、食べる量が少ない日があったり、思うように進まなかったりしても、すぐに深刻に考えすぎなくてよい場合もあります。
ただし、赤ちゃんの体調や成長に不安がある場合は、家庭だけで判断せず、小児科や保健センターなどに相談した方が安心です。
「これくらいで相談していいのかな?」と思うかもしれませんが、離乳食の悩みは多くの家庭で起こります。
相談することで、今の進め方でよいのか、どこを見直せばよいのかが整理しやすくなります。
様子を見てもよいことが多いケース
次のような場合は、赤ちゃんの様子を見ながら、家庭で少しずつ進めてもよいことが多いです。
- 食べる量は少ないが、元気に過ごしている
- 母乳やミルクは飲めている
- 尿や便が普段と大きく変わらない
- 体重がその子なりに増えている
- 機嫌のよい時間がある
- 日によって少し食べることもある
- スプーンや食べ物に少しずつ慣れてきている
離乳食の進み方には個人差があります。
同じ月齢でも、よく食べる子もいれば、ゆっくり進む子もいます。
1回の食事量だけを見て判断するのではなく、赤ちゃんの元気さ、授乳・ミルクの量、体重の増え方、便や尿の様子なども含めて見ていきましょう。
早めに相談した方がいいケース
一方で、次のような様子がある場合は、早めに小児科や保健センターなどへ相談することをおすすめします。
- 母乳やミルクもあまり飲めない
- 水分がとれず、尿の回数が少ない
- 体重が増えない、または減っている
- 元気がなく、ぐったりしている
- 嘔吐や下痢が続いている
- 食後に湿疹、咳、顔色の変化などがある
- 特定の食材を食べた後に毎回気になる症状が出る
- 食べ物を飲み込みにくそうにする
- 離乳食を極端に嫌がり、長期間ほとんど進まない
特に、水分がとれない、尿が少ない、ぐったりしているといった様子がある場合は、早めの相談が大切です。
また、食後に湿疹や嘔吐、咳などが見られる場合は、アレルギーなどの可能性も含めて、自己判断せず医療機関へ相談しましょう。
アレルギーが心配なときは自己判断しすぎない
離乳食では、卵、乳製品、小麦、魚、大豆など、初めて試す食材に不安を感じる方も多いと思います。
アレルギーが心配だからといって、自己判断で長期間避け続けるのがよいとは限りません。
ただし、湿疹がある、家族にアレルギーがある、過去に食後の症状が出たなど、不安がある場合は、小児科や健診の場で相談しながら進めると安心です。
初めての食材は、赤ちゃんの体調がよい日中に、少量から試すことを意識しましょう。
食べた後は、皮膚の変化、嘔吐、下痢、咳、機嫌、呼吸の様子などを確認します。
気になる症状があれば、食べたものや時間、症状をメモして相談すると伝えやすくなります。
相談先はどこがいい?
離乳食の進め方に悩んだときは、身近な相談先を使って大丈夫です。
- 小児科
- 自治体の保健センター
- 乳幼児健診
- 管理栄養士への相談
- 子育て支援センター
- 保育園の先生
特に、乳幼児健診や保健センターでは、月齢に合わせた食事や発育について相談しやすいです。
保育園に通っている場合は、園での食べ方や食材の形状、量などを聞いてみるのも参考になります。
家庭だけで抱え込まず、周りの力を借りながら進めていきましょう。
相談するときにメモしておくとよいこと
相談するときは、日頃の様子を簡単にメモしておくと、状況を伝えやすくなります。
- 現在の月齢
- 離乳食を始めた時期
- 1日の食事回数
- 食べている量の目安
- 母乳・ミルクの量や回数
- よく食べるもの、嫌がるもの
- 便や尿の様子
- 体重の増え方
- 食後に気になる症状があったか
完璧に記録する必要はありません。
「この食材を食べた後に湿疹が出た」「最近ほとんど食べなくなった」「ミルクの量も減っている」など、気になることを簡単にまとめるだけでも十分です。
不安なときほど、親だけで判断しようとせず、専門職の視点を借りながら進めていきましょう。
離乳食後に増えやすい食べムラ・偏食へのつながり
離乳食が進み、1歳を過ぎて幼児食に近づいてくると、今度は「食べムラ」や「偏食」が気になることがあります。
離乳食の初期には比較的よく食べていたのに、1歳後半から2歳頃になると、急に食べるものが偏ることもあります。
たとえば、次のような悩みです。
- 昨日まで食べていたものを急に食べなくなる
- 白米、パン、うどんなど主食ばかり食べる
- 野菜を見ただけで嫌がる
- 好きなおかずしか食べない
- 保育園では食べるのに家では食べない
- お菓子や甘いものばかり欲しがる
離乳食期が終われば、食事の悩みも一気に落ち着くと思っていたのに、今度は別の悩みが出てきて戸惑う方もいるかもしれません。
でも、1歳後半から2歳頃は、自我が強くなり、味や食感の好みもはっきりしてくる時期です。
「これはイヤ」「こっちがいい」と主張できるようになる分、食事でも食べムラや偏食が目立ちやすくなります。
離乳食がうまく進まなかったから偏食になるとは限らない
2歳頃に偏食が出てくると、「離乳食の進め方が悪かったのかな」と不安になることがあります。
でも、離乳食期によく食べていた子でも、幼児期に食べムラが出ることはあります。
反対に、離乳食期にあまり食べなかった子が、成長とともに少しずつ食べられるものを増やしていくこともあります。
つまり、離乳食が思うように進まなかったからといって、その後ずっと偏食になると決まるわけではありません。
子どもの食べ方は、発達、自我、体調、生活リズム、環境などによって変わっていきます。
離乳食期は、あくまで食べ物に少しずつ慣れていく入口です。
うまく進まない日があっても、自分を責めすぎなくて大丈夫です。
1歳後半から2歳頃は「自分で決めたい」が増える
離乳食期は、親が用意したものを食べる流れが中心です。
しかし、1歳後半から2歳頃になると、子ども自身の「自分で決めたい」という気持ちが強くなってきます。
食事の場面でも、
「これはイヤ」
「こっちがいい」
「自分で食べる」
「食べさせて」
といった主張が増えることがあります。
この自己主張は、困った行動に見えることもありますが、成長の一部でもあります。
食事の場面では、親がすべてを決めようとするより、子どもが少し選べる部分を作ると受け入れやすくなることがあります。
たとえば、「おにぎりとパン、どっちにする?」「にんじんは小さいのと星形、どっちがいい?」のように、小さな選択肢を用意する方法です。
幼児食への移行は焦らなくて大丈夫
1歳を過ぎると、大人の食事に少しずつ近づけていく時期になります。
ただし、急に大人と同じものを食べられるようになるわけではありません。
噛む力、飲み込む力、味の好み、食べられる量にはまだ個人差があります。
大人と同じ料理を取り分ける場合も、薄味にする、やわらかくする、小さく切るなどの工夫が必要です。
「もう1歳だから」「もう離乳食完了期だから」と考えて、急に固さや味を変えると、食べにくく感じて嫌がることもあります。
離乳食から幼児食への移行は、赤ちゃんから子どもへと一気に切り替わるものではなく、少しずつ慣れていく過程です。
その子の食べ方を見ながら、焦らず進めていきましょう。
2歳前後の食べムラ・偏食は別記事で詳しく解説
離乳食後の食べムラや偏食は、1歳後半から2歳頃にかけて悩む方が多いテーマです。
「白米やパンばかり食べる」「野菜を食べない」「保育園では食べるのに家では食べない」といった悩みは、離乳食とはまた少し違う対応が必要になることもあります。
2歳前後の食べない・偏食については、2歳児がご飯を食べない・偏食がひどいときの対策で詳しくまとめています。
離乳食期が終わったあとも、食事の悩みは形を変えて続くことがあります。
大切なのは、完璧に進めることではなく、その時期の子どもの発達に合わせて、無理なく食べられる経験を増やしていくことです。
0〜1歳の離乳食に関するよくある質問
離乳食はいつから始めればいいですか?
離乳食は、生後5〜6か月頃を目安に始めることが多いです。ただし、月齢だけで判断するのではなく、首がしっかりすわっている、支えると座れる、大人の食事に興味を示す、スプーンを口に入れても強く押し出しにくいなどの様子も確認しましょう。
赤ちゃんの発達には個人差があるため、5か月になったから必ず始めなければいけない、というものではありません。迷う場合は、乳幼児健診や小児科、保健センターなどで相談すると安心です。
離乳食を全然食べないときはどうすればいいですか?
まずは、形状や固さ、時間帯、赤ちゃんの体調や機嫌を見直してみましょう。粒が大きすぎる、水分が少なく飲み込みにくい、眠い、お腹が空きすぎているなどが原因で食べにくくなっていることもあります。
泣いて嫌がるときは無理に食べさせず、一度切り上げても大丈夫です。長期間ほとんど食べない、母乳やミルクも飲めない、体重が増えない、元気がない場合は早めに相談しましょう。
月齢通りに進まない場合は戻ってもいいですか?
戻っても大丈夫です。離乳食は必ず一方通行で進めるものではありません。粒を増やしたら食べなくなった、3回食にしたけれど食べる量が少ないなどの場合は、少し前の形状や回数に戻して調整しても問題ありません。
「戻る=失敗」ではなく、赤ちゃんに合うペースを探している途中と考えると、気持ちがラクになります。
ベビーフードを使っても大丈夫ですか?
ベビーフードを使っても大丈夫です。手作りだけにこだわりすぎると、親の負担が大きくなってしまいます。市販のベビーフードは、月齢に合った形状や固さの参考にもなります。
手作り、冷凍ストック、ベビーフードを組み合わせながら、無理なく続けることが大切です。
離乳食後の食べムラや偏食はよくあることですか?
1歳後半から2歳頃になると、自我が育ち、味や食感の好みがはっきりしてくるため、食べムラや偏食が目立つことがあります。離乳食期によく食べていた子でも、急に食べるものが偏ることはあります。
離乳食がうまく進まなかったから、その後ずっと偏食になると決まるわけではありません。2歳前後の食べない・偏食については、別記事で詳しくまとめています。
まとめ|離乳食は焦らず赤ちゃんのペースで進めよう
0〜1歳の離乳食は、赤ちゃんが母乳や育児用ミルク以外の食べ物に少しずつ慣れていく大切な時期です。
ただし、離乳食は月齢表の通りにきっちり進めなければいけないものではありません。
生後5〜6か月頃から始めるのが一般的な目安ですが、実際には赤ちゃんによって、食べ物への興味、飲み込み方、口の動かし方、食べる量には個人差があります。
最初は10倍がゆをひとさじから始め、月齢や発達に合わせて、少しずつ食材や形状、回数を増やしていきましょう。
離乳食を進めるときは、次のポイントを意識すると安心です。
- 月齢はあくまで目安として考える
- 赤ちゃんの体調や機嫌がよい日に進める
- 新しい食材は少量から試す
- 形状や固さは赤ちゃんに合わせて調整する
- 食べない日があっても焦りすぎない
- ベビーフードや冷凍ストックも無理なく活用する
- 心配な症状がある場合は早めに相談する
離乳食を食べない日があると、「進め方が悪いのかな」「栄養が足りないのでは」と不安になることもありますよね。
でも、赤ちゃんにとって離乳食は、初めての味や食感、スプーン、食事の雰囲気に慣れていく練習でもあります。
口から出してしまう日があっても、少ししか食べない日があっても、それだけで失敗ではありません。
スプーンを見る、においを感じる、少し口に入れる、手で触る。
そうした小さな経験も、食べ物に慣れていく大切なステップです。
また、離乳食が進んだあとも、1歳後半から2歳頃になると、食べムラや偏食が目立つことがあります。
これは、子どもの自我が育ち、味や食感の好みがはっきりしてくる時期とも重なります。
離乳食がうまく進まなかったからといって、その後ずっと偏食になると決まるわけではありません。
その時期ごとの発達に合わせて、焦らず関わっていくことが大切です。
もし、母乳やミルクも飲めない、水分がとれない、尿が少ない、体重が増えない、元気がない、食後に湿疹や嘔吐などがある場合は、家庭だけで判断せず、小児科や保健センターなどに相談してください。
離乳食は、親にとっても赤ちゃんにとっても初めてのことが多い時期です。
完璧に進めようとしなくても大丈夫です。
赤ちゃんのペースを見ながら、無理なく、少しずつ、食べる経験を重ねていきましょう。
参考情報
- 厚生労働省:授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)
- こども家庭庁:乳幼児期の食事・栄養に関する情報
- 母子健康手帳:乳幼児身体発育曲線
本記事は、一般的な育児情報として作成しています。お子さんの体重増加、授乳・ミルク量、水分摂取、食後の症状、発達などに不安がある場合は、小児科や自治体の保健センターなどへ相談してください。