
1歳ごろになっても、名前を呼んだときに振り向かないと、
「聞こえていないのかな?」
「名前を理解していないのかな?」
「発達的に大丈夫なのかな?」
と不安になりますよね。
何度呼んでもおもちゃに夢中だったり、こちらを見てくれなかったりすると、親としてはかなり気になると思います。
特に、まわりの子が名前を呼ばれて反応している様子を見ると、つい比べてしまうこともあるかもしれません。
ただ、1歳ごろの子どもは、遊びに集中していたり、気分によって反応が変わったりすることもよくあります。
名前を呼んでも振り向かないことがあるからといって、すぐに発達の問題と決まるわけではありません。
一方で、名前への反応は「聞こえ」「言葉の理解」「人とのやりとり」とも関係する大切なサインです。
そのため、名前に反応するかどうかだけでなく、音への反応・目線・指差し・まねっこ・簡単な言葉の理解なども一緒に見ていくことが大切です。
この記事では、1歳で名前を呼んでも振り向かないときに考えられる理由や、家庭で確認したいポイント、相談を考えた方がよい目安について、できるだけわかりやすくまとめます。
「気にしすぎかな…でもやっぱり心配」という方の参考になればうれしいです。

1歳で名前を呼んでも振り向かないのは大丈夫?まずは結論から
結論からいうと、1歳で名前を呼んでも振り向かないことがあるだけで、すぐに発達に問題があると決まるわけではありません。
1歳ごろの子どもは、まだ注意の向け方が未熟です。
目の前のおもちゃや絵本、テレビ、気になる音などに集中していると、名前を呼ばれても反応しないことがあります。
大人でも、何かに集中していると呼ばれても気づかないことがありますよね。
1歳の子どもは、なおさら「今見ているもの」に気持ちが向きやすい時期です。
また、名前を呼ばれたときの反応にも個人差があります。
- すぐに振り向く子
- 何回か呼ぶと反応する子
- 家では反応するけれど外では反応が少ない子
- 声よりも表情や動きに反応しやすい子
このように、反応の出方は子どもによってかなり違います。
そのため、「1回呼んで振り向かなかった」「遊んでいるときは反応しない」というだけで、過度に心配しすぎる必要はありません。
ただし、次のような様子もあわせて見ていくことは大切です。
- 大きな音や生活音に反応しているか
- 名前以外の声かけに反応するか
- 目が合いやすいか
- 大人の表情を見て反応するか
- バイバイやパチパチなどのまねっこがあるか
- 欲しいものを指差しや身ぶりで伝えようとするか
名前への反応だけを見ると不安になりやすいですが、子どもの発達は一つの行動だけでは判断できません。
「聞こえているか」「人に関心を向けているか」「言葉や身ぶりを少しずつ理解しているか」など、全体の様子を見ることが大切です。
たとえば、名前を呼んでも毎回は振り向かなくても、好きな音には反応する、親の顔を見る、抱っこしてほしいと手を伸ばす、バイバイをまねするなどがあれば、やりとりの土台は育っている可能性があります。
逆に、名前を呼んでもほとんど反応がないだけでなく、音への反応も弱い、目が合いにくい、簡単な声かけが伝わりにくい、指差しやまねっこが少ないといった様子が重なる場合は、一度相談してみると安心です。
相談することは、何かを決めつけるためではありません。
今の様子を整理して、家庭でできる関わり方を知るためにも役立ちます。
まずは「名前を呼んでも振り向かない=すぐ問題」と考えすぎず、ほかの反応ややりとりも一緒に見ていきましょう。
名前を呼んだときの反応はいつ頃から見られる?
名前を呼んだときの反応は、赤ちゃんの「聞こえ」や「人への注意」「言葉の理解」と関係しています。
ただし、「何か月なら必ず振り向く」というものではなく、反応の出方には個人差があります。
目安としては、生後9か月ごろの発達項目に「名前を呼ばれると見る」という反応が含まれています。
また、1歳半ごろになると、名前への反応だけでなく、身ぶりなしで簡単な指示に従えるかどうかも、言葉や理解の目安の一つとして見られます。
たとえば、
- 「おいで」と言うと近づいてくる
- 「ちょうだい」と言うと渡そうとする
- 「バイバイ」と言うと手を振る
- 「ワンワンどこ?」と聞くと見る・指差す
このような反応がある場合、言葉や人とのやりとりの土台が育っている途中と考えられます。
一方で、名前を呼んでも毎回きれいに振り向くとは限りません。
1歳ごろの子どもは、興味のあるものに集中していると、呼ばれても気づかないことがあります。
おもちゃで遊んでいるとき、テレビや動画を見ているとき、外で刺激が多いときなどは、名前への反応が弱くなることもあります。
そのため、確認するときは、子どもが何かに夢中になっている場面だけで判断しない方が安心です。
たとえば、
- 静かな部屋で呼んだとき
- 近い距離からやさしく呼んだとき
- 普段よく関わる人が呼んだとき
- 遊びの切れ目に呼んだとき
こうした場面でも反応があるかを見てみると、少し判断しやすくなります。
また、「振り向く」だけが反応ではありません。
名前を呼ばれたときに、
- 目だけこちらを見る
- 少し動きが止まる
- 声を出す
- 笑う
- 近づいてくる
このような反応も、呼びかけに気づいているサインになることがあります。
親としては「ちゃんと振り向いてほしい」と思ってしまいますが、子どもによって反応の仕方はさまざまです。
大切なのは、名前を呼んだときだけでなく、普段の生活の中で「人の声に気づいているか」「やりとりを楽しんでいるか」を見ることです。
発達の目安については、CDCの9か月の発達項目でも「名前を呼ぶと見る」ことが示されており、18か月の項目では「身ぶりなしで簡単な指示に従う」ことも目安として挙げられています。参考:CDC 9か月の発達マイルストーン/参考:CDC 18か月の発達マイルストーン
ただし、こうした目安はあくまで参考です。
少しでも気になる場合は、1歳半健診や保健センター、小児科などで相談して大丈夫です。

名前を呼んでも振り向かない理由として考えられること
名前を呼んでも振り向かないと、「聞こえていないのかな」「理解していないのかな」と不安になりますよね。
ただ、1歳ごろの子どもが名前に反応しない理由は、一つではありません。
その場の状況や子どもの性格、聞こえ方、発達のペースなど、いくつかの要因が関係していることがあります。
ここでは、家庭でよく見られる理由を整理していきます。
① 遊びに集中している
1歳ごろの子どもは、目の前のものに強く集中することがあります。
お気に入りのおもちゃで遊んでいるときや、絵本を見ているとき、テレビや動画に夢中になっているときは、名前を呼ばれても反応が薄くなることがあります。
これは、大人でいう「考えごとをしていて返事が遅れた」という状態に近いかもしれません。
特に子どもは、まだ注意を切り替える力が発達途中です。
そのため、遊びに集中している場面だけで「名前を理解していない」と判断するのは早いです。
確認するときは、遊びの切れ目や、静かな環境で呼んだときの反応も見てみましょう。
② 呼ばれ慣れていない
家庭によっては、普段から名前よりも「おいで」「ちょっと来て」「ねえねえ」などの声かけが多いこともあります。
その場合、子どもが自分の名前を呼ばれている感覚をまだつかみきれていないことがあります。
また、家族の中であだ名が複数ある場合も、名前への反応がわかりにくくなることがあります。
たとえば、普段は「りょうちゃん」と呼んでいるのに、健診や外出先では正式な名前で呼ばれると、子どもがピンとこないこともあります。
まずは、日常の中で同じ呼び方を使いながら、顔を見てやさしく呼ぶ機会を増やしてみるとよいでしょう。
③ 音や声が聞こえにくい可能性
名前を呼んでも反応が少ないときは、聞こえ方も確認したいポイントです。
たとえば、名前だけでなく、生活音や好きな音への反応も少ない場合は、耳の聞こえにくさが関係している可能性もあります。
確認するときは、
- ドアの開く音に反応するか
- 好きな音楽やおもちゃの音に気づくか
- 後ろからの声かけに反応するか
- 大きめの音にびっくりするか
といった様子を見てみましょう。
ただし、家庭で判断しきるのは難しい部分です。
「聞こえていないかも」と感じる場面が多い場合は、小児科や耳鼻科、健診などで相談してみると安心です。
④ まだ言葉の意味を理解しきれていない
名前への反応は、「音が聞こえているか」だけでなく、「それが自分に向けられた呼びかけだとわかっているか」も関係します。
1歳ごろは、言葉の理解が少しずつ育っていく途中です。
名前を呼ばれたら振り向く子もいますが、まだ反応が安定しない子もいます。
この場合、名前だけでなく、簡単な言葉への反応も一緒に見るとわかりやすいです。
たとえば、
- 「おいで」と言うと近づいてくる
- 「ちょうだい」と言うと渡そうとする
- 「バイバイ」と言うと手を振る
- 「座って」と言うと座ろうとする
このような反応がある場合、言葉の理解は少しずつ育っている可能性があります。
⑤ 人より物への興味が強い時期
1歳ごろは、周りのものへの興味がぐっと広がる時期です。
おもちゃ、絵本、引き出し、リモコン、台所用品など、大人から見ると何でもないものに夢中になることもあります。
この時期は、人から呼ばれることよりも、目の前のものを触りたい・確かめたいという気持ちが強く出ることがあります。
そのため、名前を呼んでもすぐにこちらを見ないことがあります。
ただ、物に興味が強い中でも、楽しいときに大人の顔を見る、見つけたものを持ってくる、親の反応を確認するなどがあれば、人とのやりとりも育っている可能性があります。
⑥ 発達全体を見た方がいいケースもある
名前に反応しないことだけで何かを判断する必要はありません。
ただし、ほかの様子もあわせて気になる場合は、発達全体を見てもらうと安心です。
たとえば、
- 名前を呼んでもほとんど反応がない
- 目が合いにくい
- 指差しや身ぶりが少ない
- 簡単な言葉が伝わりにくい
- まねっこが少ない
- 音への反応も弱いように感じる
このような様子が重なる場合は、1歳半健診や保健センター、小児科などで相談してみてもよいでしょう。
相談することは、決して大げさなことではありません。
今の子どもの様子を整理し、必要に応じて家庭での関わり方を教えてもらうための機会になります。
名前を呼んでも振り向かない理由は、子どもによってさまざまです。
大切なのは、「振り向くかどうか」だけでなく、聞こえ・理解・目線・身ぶり・まねっこなどをあわせて見ていくことです。
家庭で確認したいポイント
名前を呼んでも振り向かないときは、「振り向くかどうか」だけを見るよりも、普段の生活の中でいくつかの反応を合わせて見ていくことが大切です。
1回呼んで反応しなかったからといって、すぐに心配しすぎる必要はありません。
ただ、日常の中でどんな場面なら反応するのか、ほかの声かけにはどう反応するのかを見ておくと、相談するときにも伝えやすくなります。
① 小さな音や生活音に反応するか
まず確認したいのは、名前以外の音に反応しているかどうかです。
たとえば、
- ドアが開く音に気づく
- 好きな音楽が流れると反応する
- おもちゃの音に振り向く
- 袋を開ける音に気づく
- 大きな音にびっくりする
このような反応がある場合、音そのものには気づいている可能性があります。
一方で、生活音や好きな音にも反応が少ない場合は、聞こえ方について一度相談してみると安心です。
② 名前以外の声かけに反応するか
名前に反応しない場合でも、ほかの声かけには反応していることがあります。
たとえば、
- 「おいで」と言うと近づいてくる
- 「ちょうだい」と言うと物を渡そうとする
- 「バイバイ」と言うと手を振る
- 「まんま食べる?」に反応する
このような反応があれば、言葉の意味を少しずつ理解している可能性があります。
逆に、名前だけでなく、簡単な声かけ全体に反応が少ない場合は、理解の発達も含めて見てもらうと安心です。
③ 目線が合うか
名前を呼んだときに振り向かなくても、普段の生活の中で目が合うかどうかも大切なポイントです。
たとえば、
- 抱っこのときに顔を見る
- 楽しいときに親の顔を見る
- 何かを見つけたときに大人の方を見る
- 遊びの中で目線が合う
このような様子がある場合、人とのやりとりの土台が育っている可能性があります。
目が合いにくいと感じる場合も、場面によって違うことがあります。
寝起きや機嫌が悪いときではなく、遊んでいるときやリラックスしているときの様子も見てみましょう。
④ 指差しや身ぶりがあるか
名前への反応とあわせて、指差しや身ぶりがあるかも見ておきたいポイントです。
言葉がまだ少ない時期でも、子どもはさまざまな方法で気持ちを伝えています。
たとえば、
- 欲しいものに手を伸ばす
- 気になるものを指差す
- 大人の手を引いて連れていく
- バイバイやパチパチをまねする
こうした行動は、「伝えたい」という気持ちの表れです。
名前に反応しにくくても、指差しや身ぶりで伝えようとしている場合は、コミュニケーションの土台が育っている途中と考えられます。
指差しや身ぶりの様子も気になる場合は、こちらの記事も参考になります。
指差ししない1歳半は問題?発達のサインと家庭でできる関わり方
⑤ 簡単な言葉が伝わっているか
1歳ごろは、話す言葉よりも先に、聞いて理解する力が少しずつ育っていきます。
そのため、発語が少なくても、こちらの簡単な言葉が伝わっているかを見ることは大切です。
たとえば、
- 「おむつ替えよう」で近づいてくる
- 「お風呂行くよ」で反応する
- 「靴持ってきて」で靴の方を見る
- 「ねんねしよう」で寝室に向かう
このような反応があれば、言葉の理解が育ってきている可能性があります。
もちろん、毎回完璧にできる必要はありません。
気分や眠さ、集中しているものによって反応が変わることもあります。
⑥ 場面によって反応が変わるか
名前を呼んでも振り向かないときは、「どんな場面で反応しないのか」も見てみましょう。
たとえば、
- テレビや動画を見ているときだけ反応しにくい
- 外出先では反応しにくい
- 眠いときは反応が薄い
- 家族が呼ぶと反応するが、知らない人には反応しにくい
このように場面によって差がある場合は、集中や環境の影響も考えられます。
一方で、どの場面でもほとんど反応がない場合は、聞こえ方や発達全体を含めて相談してみると安心です。
家庭で確認するときは、できる・できないを厳しくチェックするというより、子どもの反応の傾向を知るくらいの気持ちで大丈夫です。
気になる様子が続く場合は、メモしておくと健診や相談時にも伝えやすくなります。

家庭でできる関わり方
名前を呼んでも振り向かないと、つい何度も名前を呼びたくなりますよね。
「こっち向いて」
「なんで反応しないの?」
と焦ってしまう気持ちもあると思います。
ただ、名前への反応を増やしたいときは、何度も呼んで反応を確認するよりも、子どもが「呼ばれると楽しい」「反応するといいことがある」と感じられる関わりを増やすことが大切です。
ここでは、家庭でできる関わり方を紹介します。
① 顔を見て、やさしく名前を呼ぶ
まずは、子どもに近づいて、顔が見える位置から名前を呼んでみましょう。
遠くから大きな声で何度も呼ぶよりも、近い距離でやさしく呼ぶ方が、子どもに伝わりやすいことがあります。
たとえば、
- 遊び始める前に「〇〇ちゃん、これ見ようか」
- ご飯の前に「〇〇くん、まんま食べようね」
- お風呂の前に「〇〇ちゃん、お風呂行こうか」
このように、名前と行動をセットにして声をかけると、少しずつ「自分に向けられた声かけ」として理解しやすくなります。
② 反応したらすぐに返してあげる
名前を呼んだときに、少しでも反応があったらすぐに返してあげましょう。
振り向くまではいかなくても、目だけこちらを見る、動きが止まる、声を出すなども反応の一つです。
そのときに、
「見てくれたね」
「こっち向いたね」
「来てくれてうれしいよ」
と、やさしく反応してあげます。
子どもは、「名前を呼ばれて反応すると、楽しいやりとりが始まる」と感じやすくなります。
うちでも、ただ何度も呼ぶより、反応した瞬間に少し大きめに返した方が、こちらを見る回数が増えたように感じた時期がありました。
③ 遊びの中で名前を使う
名前への反応は、遊びの中で自然に増やしていくのがおすすめです。
たとえば、ボール遊びをしながら、
「〇〇くん、どうぞ」
「〇〇ちゃん、できたね」
と声をかけます。
絵本を読むときも、
「〇〇ちゃん、ワンワンいたね」
「〇〇くん、どっちが好き?」
のように、名前を会話の中に自然に入れてみてください。
名前を“反応テスト”のように使うより、楽しい遊びの中で使う方が、子どもにとって負担が少なくなります。
④ 指差しや声かけとセットにする
名前を呼ぶだけで反応しにくい場合は、指差しや声かけとセットにすると伝わりやすくなります。
たとえば、犬を見つけたときに、
「〇〇ちゃん、ワンワンいるね」
と言いながら、大人が犬の方を指差します。
子どもが見たら、
「見えたね」
「ワンワンいたね」
と返してあげます。
このように、名前・見る対象・言葉をセットにすると、「呼ばれる→見る→共有する」という流れが作りやすくなります。
⑤ テレビや動画を止めて呼びかける時間を作る
テレビや動画を見ているときは、名前を呼んでも反応しにくいことがあります。
画面に集中していると、声が耳に入っていても、注意を切り替えにくいからです。
反応を確認したいときは、テレビや動画を一度止めて、静かな環境で呼んでみるのがおすすめです。
また、普段から少しだけ画面から離れる時間を作り、親子で向き合う時間を増やすことも大切です。
長時間しっかり遊ばないといけないわけではありません。
1日数分でも、絵本を見たり、積み木をしたり、手遊びをしたりする時間があると、名前への反応ややりとりのきっかけが作りやすくなります。
⑥ 何度も試すように呼び続けない
不安になると、つい何度も名前を呼んで反応を確かめたくなります。
でも、何度も繰り返し呼ばれると、子どもにとってはプレッシャーになったり、名前を呼ばれることに慣れすぎて反応しにくくなったりすることもあります。
名前を呼ぶときは、
- 近い距離で呼ぶ
- 反応しやすいタイミングで呼ぶ
- 反応したら楽しいやりとりにつなげる
この3つを意識してみてください。
名前への反応を育てるには、「振り向かせること」だけが目的ではありません。
呼びかけを通して、親子のやりとりが増えることが大切です。
焦らず、日常の中で少しずつ楽しい反応を積み重ねていきましょう。
名前への反応だけでなく、年齢ごとの発語ややりとりの目安をまとめて確認したい方は、こちらの記事も参考になります。
子どもの言葉が遅いかも?0〜3歳の発語の目安と家庭でできる関わり方

相談を考えた方がいい目安
1歳で名前を呼んでも振り向かないとき、家庭で様子を見ながら関わりを増やすことは大切です。
ただ、なかには早めに相談しておいた方が安心なケースもあります。
特に、名前への反応だけでなく、音への反応や目線、指差し、まねっこなども気になる場合は、一度専門機関に相談してみてもよいでしょう。
大きめの音にも反応が弱い
名前だけでなく、ドアが閉まる音、掃除機の音、好きなおもちゃの音などにも反応が少ない場合は、聞こえ方を確認しておくと安心です。
もちろん、音に慣れていて反応しないこともあります。
ただ、日常的に「聞こえていないのかな?」と感じる場面が多い場合は、小児科や耳鼻科などで相談してみましょう。
名前を呼んでもほとんど反応しない
遊びに集中しているときだけ反応しないのであれば、そこまで心配しすぎなくてもよい場合があります。
一方で、静かな場所で近くから呼んでもほとんど反応がない、何度呼んでも気づく様子が少ない場合は、相談の目安になります。
名前への反応は、聞こえだけでなく、人への注意や言葉の理解とも関係しています。
簡単な指示が通りにくい
1歳ごろは、まだ大人の言葉をすべて理解できるわけではありません。
それでも、成長とともに「おいで」「ちょうだい」「バイバイ」など、日常でよく使う言葉に少しずつ反応するようになります。
こうした簡単な声かけへの反応が全体的に少ない場合は、言葉の理解も含めて見てもらうと安心です。
指差しや身ぶりが少ない
言葉がまだ少ない時期でも、子どもは指差しや身ぶりで気持ちを伝えようとします。
たとえば、欲しいものに手を伸ばす、気になるものを指差す、大人の手を引く、バイバイやパチパチをまねするなどです。
名前への反応に加えて、こうした身ぶりも少ない場合は、コミュニケーション全体を確認してもらうとよいでしょう。
目が合いにくい、やりとりが少ない
名前を呼んでも振り向かないことに加えて、目が合いにくい、表情のやりとりが少ない、親の反応をあまり見ないといった様子がある場合も、相談を考える目安になります。
発達を見るときは、ひとつの行動だけでなく、人とのやりとり全体を見ることが大切です。
保護者が強く不安を感じる
はっきりした理由がなくても、毎日一緒にいる保護者が「やっぱり気になる」と感じることもあります。
その感覚は、無視しなくて大丈夫です。
「こんなことで相談していいのかな」と思うかもしれませんが、相談することは問題を決めつけることではありません。
今の子どもの様子を一緒に整理し、必要に応じて家庭での関わり方を教えてもらうための機会です。
相談先としては、
- 1歳半健診
- 地域の保健センター
- かかりつけの小児科
- 耳の聞こえが気になる場合は耳鼻科
- 自治体の発達相談窓口
などがあります。
相談してみて「今は様子を見て大丈夫」と言われるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
逆に、早めにサポートにつながることで、家庭での関わり方がわかりやすくなることもあります。
一人で抱え込みすぎず、気になるときは早めに相談してみてください。
名前への反応に加えて、1歳半ごろの発語や単語の少なさも気になる場合は、こちらの記事も参考になります。
1歳半で単語が出ない原因は?発語の目安と今すぐできる関わり方
まとめ|名前への反応だけで決めつけず、やりとり全体を見ていこう
1歳で名前を呼んでも振り向かないと、親としてはとても不安になりますよね。
「聞こえていないのかな」
「言葉の理解が遅いのかな」
「発達的に大丈夫なのかな」
と、いろいろ考えてしまうと思います。
ただ、名前を呼んでも振り向かないことがあるだけで、すぐに発達の問題と決まるわけではありません。
1歳ごろの子どもは、目の前の遊びに集中していたり、気分や環境によって反応が変わったりすることもあります。
大切なのは、名前への反応だけで判断するのではなく、
- 生活音や好きな音に反応しているか
- 簡単な声かけが少しずつ伝わっているか
- 目線や表情でやりとりがあるか
- 指差しや身ぶりで伝えようとしているか
- バイバイやパチパチなどのまねっこがあるか
こうした全体の様子を見ていくことです。
家庭では、遠くから何度も名前を呼んで反応を試すよりも、近い距離で顔を見ながらやさしく声をかけたり、遊びの中で名前を使ったりする方が自然です。
名前を呼ばれたあとに楽しいやりとりがあると、子どもも少しずつ「呼ばれること」に気づきやすくなります。
また、指差しやまねっこ、簡単な言葉の理解なども、言葉の発達につながる大切なサインです。
不安がある場合は、できないことだけを見るのではなく、「この子なりにどう反応しているかな?」という視点で見てあげると、少し落ち着いて確認しやすくなります。
もし、名前への反応だけでなく、音への反応や目線、指差し、言葉の理解なども気になる場合は、1歳半健診や保健センター、小児科などで相談して大丈夫です。
相談することは、決して大げさなことではありません。
親の不安を整理し、子どもに合った関わり方を知るための大切な一歩です。
焦らず、比べすぎず、日常の中でできる関わりから少しずつ取り入れていきましょう。